「酢を飲むと身体が柔らかくなる」は、科学的に証明された説ではない。サーカスが団員分の酢を一度に大量に購入したところ「あんなに大量の酢を飲むから、サーカス団員は身体が柔らかい」と考えたという逸話からきた誤解である。それ以前に、日本では古くから南蛮漬けなどにした魚の骨が酢の作用によって柔らかくなっていることから生まれた誤解である。言うまでもなく、身体の柔軟性は筋肉と靱帯の可動域の問題であって、酢を飲んで骨が柔らかくなっては一種の骨粗鬆症である。ただし、酢に多く含まれる酢酸の作用によって筋肉中の乳酸の分解が促進され、凝りをほぐす作用は期待できる。ただし、柔軟性は靱帯の可動域の拡張ナシにはあり得ないので、ただ酢を飲めば靱帯の柔軟性が増し関節の可動域が広がる訳ではないので注意が必要である。
(番組評価 42/100へえ)