ドン・キホーテの作者セルバンテスは無敵艦隊の食料調達係の職を得てスペイン各地を歩き回って食料を徴発するが、教会から強引に徴発したかどで投獄され、さらに翌年アルマダの海戦で無敵艦隊が撃破されたため職を失う。その後なんとか徴税吏の仕事に就くが、税金を預けておいた銀行が破産、30倍の追徴金を負債として負うこととなり、これが払えず1597年に投獄される。そのセビリャの監獄の中には、ピカレスク小説『グスマン・デ・アルファラーチェ』(1559年)の作者マテオ・アレマンもいたという。セルバンテスは『ドン・キホーテ』(1605年)の序文で、牢獄において構想したことをほのめかしている。