モーツァルトが書いたとされる手紙は多く残されているが、手紙は最大5ヶ国語を使い分けて書かれており、モーツァルトが語学に長けていたことが伺える。実際、会話においては少年時代において、既に少なくとも14の言語を話す事ができたという。また友人などに宛てた手紙の中においては、何の脈絡もなく世界の太陽や大陸の名前を列挙し始めたり、文面に何の関係もない物語を詳細に書き出したりするなど、彼のユーモラスな面を見る事ができる。
モーツァルトは従姉妹に排泄にまつわる駄洒落にあふれた手紙を送ったことがあり 『俺の尻をなめろ』というカノンも作曲している。このことは、彼にスカトロジーの傾向があったとしばしば喧伝されるエピソードであるが、当時の南ドイツでは親しい者どうしでの尾ろうな話は日常的なものであり、タブーではなかった。 19世紀の伝記作者はスカトロジーの表現を無視したり破棄したりしてモーツァルトを美化したが、現在ではこうした表現は彼の快活な性格を表すものと普通に受け止められている。
(番組評価 66/100へえ)