18世紀初めのイタリアでは、スパゲッティは民衆の食べもので、チーズだけをかけて手で頭上にかざして下から食べるものであった。
1770年代、庶民の風俗を深く愛したナポリ国王フェルディナンド4世が宮廷で毎日スパゲッティを供することを命じた。しかし上記のような民の作法がハプスブルク家出身の王妃マリア・カロリーネに承認されるはずもなく、賓客がより上品にスパゲッティを食べられるように、料理長ジョヴァンニ・スパダッシーノに命じて、もともと口に運ぶものでなく料理を取り分けるためにあったフォークを食器として使わせた。このとき、工学エンジニアのチェーザレ・スパダッチーニが、先が長く三本だったフォークをもとにして、口に入れても安全でスパゲッティがうまくからむ様に先を短く四本にしたフォークを、王のために考案したといわれている。