ゴキブリは、かつては「御器囓り(ゴキカブリ)」と呼ばれていた。しかし、1884年(明治17年)に岩川友太郎が書いた日本初の生物学用語集『生物學語彙』では、最初の記述には「ゴキカブリ」とルビが振られていたものの、2ヵ所目には「ゴキブリ」と書かれ、一文字抜けていた。しかもこの本は初版しか発行されず、間違いを訂正することができなかった。その後1889年(明治22年)に作られた『中等教育動物学教科書』にも「ゴキブリ」と記述されてしまい、この間違いはこれ以降の教科書や図鑑にも引き継がれてほとんど全ての文献に「ゴキブリ」と書かれ、和名として定着してしまった。
(番組評価 73/100へえ)