口や耳などの穴から悪魔などが進入するのを防ぐために、赤色の物体を顔面に塗りつけるという、約7万年前に行われていた習慣が始まりだと推測されている。このことは、出土した当時の人骨の口に付着していた赤色の顔料の痕跡から判明した。また、紀元前1200年代頃のエジプトでは、人々が目や唇に化粧を施している絵画も見つかっている。ツタンカーメンの黄金のマスクを例にとると、目の周囲にアイラインを施していることが見てとれる。当時のアイラインの原料は、紺色の鉱石であるラピスラズリであり、それを微細な粉にして液体に溶かして使用していた。現在でも中近東地域ではこのようなアイラインを日常に行っている。